貞享元年(1684年)、芭蕉41歳、旧暦8月中旬(新暦9月下旬)に、深川を出立、箱根〜富士川〜大井川〜小夜の中山〜伊勢〜伊賀〜吉野〜不破の関〜大垣〜桑名〜熱田〜伊賀で越年〜奈良〜京都〜大津〜水口〜名古屋〜甲府を経て江戸へ戻る2200キロの旅、その足跡をたどって描いた「野ざらしスケッチ紀行」を紹介致します。
千里に旅立て、路粮(みちかて)をつつまず、三更月下(さんこうげっか)無何(むか)に入と云けむ、
むかしの人の杖にすがりて、貞享甲子(じょうきょうきのえね)秋八月、江上の破屋をいづる程、風の
聲そぞろ寒げ也。
「野ざらしを 心に風の しむ身哉」
「秋十とせ 却って江戸を 指す故郷」