「明ぼのや しら魚しろき こと一寸 」
俳句の意味: まだ薄暗さの漂う曙に、四つ手網か刺し網でとった白魚が浜辺に打ち上げられている。
その鮮やかさ白さを「白きこと一寸」と詠むことで、その色彩や姿からくる清鮮な純白感
をずばりいいあてた名句です。
旅の思い出: 年の押し迫る12月29日午前4時に、ここ桑名の赤須賀港で夜明けまで白魚舟の
出漁を待っていました。ところが、7時頃になって一人の漁師が現れたので訪ねたと
ころ、25日から正月休みで漁はしない、来年1月5日が白魚漁の解禁日だと言うこと
でした。とうとう3時間待ちぼうけを喰らってしまいました。その間、凍てついた空に細
い月がかかり、じっくりと夜が明けてくる揖斐川河口の冬景をみつめていました。
その時、時間とともに次の3句が浮かびました。
しらおぶね
「澄みわたる 下弦の月や 白魚舟」
「月一寸 白魚を待つ 夜明けかな」
「あけぼのや 潮風わたる 浜千鳥」
自作
澄みわたる
下弦の月や
白魚舟
月一寸
白魚を待つ
夜明けかな
あけぼのや
潮風わたる
浜千鳥