「露とくとく 心みに浮世 すすがばや 」
俳句の意味: 吉野の山奥に西行庵があり、そのそばに今も露となって昔のままとくとくと滴って
いる苔清水があります。ちょっと立ち寄ってその雫で自分の身についた「浮世」の
汚れをすすぎたいものだと歌っています。
旅の思い出: 西行庵は、吉野山の上千本と呼ばれる桜の名所のその奥にあり、吉野の奥の院
金峰神社のそのまた奥に獣道のような細い道を伝って入ります。
スケッチをしている8時間の間に4名の人が訪れました。もみじがわずかに赤らん
でいました。西行はここで約30年を過ごしました。まさに大自然の懐に入り込んだ思
いでした。その夜、吉野山の中腹で車中泊し、西行や芭蕉がいた頃を思い浮かべな
がら、山の端に照る月を見て1句浮かびました。
「いにしえの 月をめでたる 吉野山」
西行庵
苔清水