「馬に寝て 残夢月遠し 茶のけぶり 」
俳句の意味: 芭蕉は、馬上でうつらうつらしているうちに、いつか小夜の中山峠にさしかかり、馬上の
残夢をさまされました。するとその景色は、杜牧の「早行詩」に歌われた情景そのままで、
空には有明の月が遠く浮び、どこかの宿から朝茶を煮る煙が立ち上っていました。芭蕉は
杜牧の「早行詩」にすっかり嵌りこんで旅情を掻き立てる情景を歌っています。
旅の思い出: このスケッチは、小夜の中山の峠にある久延寺向かいの駐車場で、前方に広がる茶畑を
描きましたが、芭蕉の句はこの辺りで詠まれたのではないかと言われています。
あいにく午前中は雨にたたられ車の中から描きましたが、午後から快晴になり、素晴らしい
景色が浮かび上がりました。前日、金谷で車中泊し、夜半からの大雨にたたられ、朝起きたと
きには山々降りで、車の屋根を雨が激しくたたく音で目を覚ましました。
昨日の夕刻は、大雨の前兆かしばらく凪ぎ状態が続き虫の音が響き渡りました。
一方、小夜中山では芭蕉の句どころか、大雨にたたられガックリしました。
それらの経験から、次の2つの句が浮かびました。
なぎ
「凪渡る 旅寝の里の キリギリス」 「旅に寝て 嵐月なし 小夜の里」
自作
凪渡る
旅寝の里の
キリギリス
旅に寝て
嵐月なし
小夜の里