「さらしなや 三よやの月見 雲もなし」
俳句の意味: 貞享5年8月16日、信州坂城(さかき)で越人が歌った歌で、待宵月、名月、十六夜月と三夜
連続で雲ひとつない更科の月をめでることができたことを感謝した歌である。
旅の思い出: 9月18日、十六夜観月殿で、夜7時から9時半までスケッチをしました。
観月殿はライトアップされているため夜中でもそのまま描くことができました。
観月殿は県道77号線をわずかに横道にはいり、ぼんやりと見える石の鳥居をくぐって、しばらく
薄暗い外灯が並ぶ石段をいくつか折れるようにして登って、ようやく広場に出たところを左に曲が
って山のほうを見るとライトアップされたお堂が見えてきます。
スケッチしている間に一組のカップルが見えました。 真っ暗闇の中からごそごそという音が聞こ
えると、しばらく緊張しますが、人の声が聞こえてきたので安心しました。
このお堂は、江戸時代に建て直したものと聞いていますが、この名月を、この場所で、たった2、3
人で見るのは、うれしいような、それでいてどことなく悲しい思いがいたします。
私が去った後は恐らく誰も来なかったのではないでしょうか。その思いを歌にしてみました。
「三夜とも まん丸月夜 雲もなし」
「十六夜の 月もかなしき 古堂かな」
自作
三夜とも
まん丸月夜
雲もなし
十六夜の
月もかなしき
古堂かな