「涼しさを 我が宿にして ねまるなり」
俳句の解説: 芭蕉は、尾花沢で手厚い接遇を受け十日間お世話になっています。
「ねまる」はくつろいで休む、泊まるという意味の出羽方言です。
涼しい寺に招かれ、まるで自分の家にいるようなつもりになってく
つろいだことに対する感謝の気持ちを表現しています。
この寺が涼しかったのは、寺の裏に平野が広がり、万年雪の山から
風が渡ってくるからです。
旅の思い出 : 養泉寺の主要な建物は焼けてなくなっており「涼し塚」という小屋が立っていました。
その傍に大きな杉の木が立っており、それだけが印象に残る寺でした。
寺の裏手に回ってみると、突如眼前が開けて、前方には遠く万年雪を抱く山々の
嶺が続き、そこから田んぼを伝って涼しい風が渡ってきました。
田んぼの正面に椅子を置いてスケッチをしている間中、本当に気持のよいさわや
かな風に心のやすまる思いがしました。
養泉寺裏