さなえ                  ずり
「早苗とる 手もとや昔 しのぶ摺

俳句の解説: 田んぼで早苗を植える女性の手首は、昔この文知摺石(もじずりいし)に

      早苗をこすりつけながら願をかけていた女性の手首と同じように美しいものです。

 旅の思い出 :  信夫の里の文知摺石は、昔から奥州の歌枕で「みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに

          乱れそめにし 我ならなくに」(古今集)という源融の歌が有名で、この石に早苗を

          こすりつけながら願をかけると恋人に会えるという伝説があります。

           また、伊勢物語の第一段に、源融の歌のみやびに引きつけられた在原兼平の男の歌が

          あります。

            「春日野の 若紫のすり衣 しのぶのみだれ 限り知られず」

           大和心は、昔からこのような「みやび」心を大切にしてきました。









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福島 文知摺石
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