かきつばた
「杜若 語るも旅の ひとつ哉」

旅の思い出:   5月1日、一日中雨が降り、午後了徳院に到着して夕方7時、真っ暗になるまで

         芭蕉の句碑を描きました。幸い屋根のついた休憩所が句碑の前にあり、雨に濡

         れずに描くことができました。

          あいにく時期が早く杜若は咲いていませんでしたが、春雨がしとしとと句碑にか

         かり、杜若が咲くのを待ちこがれているようでした。

          何度も何度も雨が当たって侵食したのでしょうか、芭蕉の旅姿のような形をした

         奇岩に芭蕉の句が刻まれていました。そこで一句、
                     
              「花の雨 奇岩に句碑を 刻みけり」




          
          

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俳句の意味: 伊勢物語の九段に、三河の国八橋で都への未練を残しつつ天下りの旅を続ける

        男が詠んだ次の歌を思い出しながら、この句を詠んでいます。
         
           「からころも 着つつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」

          この歌は、「折句」といって各句の頭文字をつなぐと「かきつばた」となります。

          昔はこの近くに住んでいた「保川一笑」の宅でこの句を詠んだとされていますが、

         このあたりは湿地帯で杜若の群生が有名だったそうです。

自作の句

花の雨

奇岩に句碑を
 
刻みけり

大阪福島 了徳院
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