くたびれ ころ
「草臥て 宿かる比や 藤の花 」
俳句の意味: 一日中歩き疲れて一夜の宿を借りようとする黄昏時、ふと宿屋の前をみると、
暮れ行く春の面影を残す藤の花が咲いていている。
なにやら一抹の旅愁を感じさせるものだなあ。
旅の思い出: 4月27日、夜中の3時に家を出発し、11時に明日香村の軽本さんの家に到着しま
した。
お茶をいただいて一服した後、芭蕉が泊まったといわれている橿原市八木町の
宿屋がある「札の辻」というところでスケッチをしました。
しばらくすると、近くの公民館の方が近寄ってこられ、この辻のいわれを記載した
パンフレットをくれました。
ここは、昔南北にのびる「下つ道」と東西にのびる「横大路」の交差点で、道幅が
現在よりも広く、旅人が間断なくとおり旅籠が並び賑わっていたとのことで、中央に
札場があって、毎朝そのそばで魚市が開かれていたそうです。
夕刻の黄昏時までかかって描いていると、軽本さんの奥様が夕食のお弁当を持っ
てきてくれました。
昼食を食べていなかったので、ありがたく頂いて、車の中で夕食をとった後、奈良
の東大寺へ向かいました。
スケッチの右下に何の木かわかりませんが、小さな丈の植物がありましたので、
それを「藤の花」に見立てて描きました。