むぐら
「いも植て 門は葎の わか葉哉」
俳句の意味: 周りには里芋畑が広がっていて、寺の山門付近は葎がうっそうと茂り、その若葉が
春を告げているようだ。
旅の思い出: 寺の前に椅子を据えて山門を描いていると、立派な袈裟をまとったご住職さんが、太い丸太で
できた台座と、おいしそうな和菓子とお茶を載せたお盆を両手に持って、そっと寄ってこられました。
お茶をどうぞと勧められ恐縮しつつ温かいお茶とおいしい和菓子をいただきました。
ご住職さんはまことにふくよかなお顔をされ、私の描いている絵をちらりと見られてニコニコして
寺の中に戻って行かれました。
当日は、お彼岸の入りでお忙しく、多くの檀家の方々が夕暮れ近くまで出入りしておりました。
そこで一句
「寺描きて 彼岸暮れゆく 浮世かな 」
寺描きて
彼岸暮れゆく
浮世かな