ほぞ 
「古里や 臍の緒に泣く としの暮」

俳句の意味:  故郷に帰ってきて、年の暮れにあたり生まれたときの我が臍の緒をみて、感慨無量の

         涙を流しました。
         

旅の思い出:  伊賀上野へようやく到着して最初に芭蕉生家を描きました。

          12月31日は朝から雪交じりの雨が降り始め、関町から上野に近ずくにしたがって段々

         雪に変わっていきました。午前中はお店の隣の駐車場に停めて、車の中から描いていた

         のですが、そのお店の人が出勤してきてその駐車場を追い出されました。

          仕方なく、遠くの駐車場に車を移して、傘をさし午後5時ごろまで描いておりました。

          特に左の手が凍傷のように麻痺した感じになりました。左手で傘と画板を抱え、画用紙に

         雪がかからないように必死に体を丸めて描いていたからだと思いますが、右手は動かして

         いるためか、氷りついて麻痺するような感覚はありませんでした。

          遠路はるばるやって来て、雪の真っ只中とはおそれいりましたが、反面雪の静かな情景を

         描くことができ、芭蕉が昔戻ってきた頃と同じ情景を思い浮かべて心が安らぎました。

          そのとき次の1句が生まれました。
         
               「古里や 芭蕉生家は 雪の中」





               

自作の句

古里や
 芭蕉生家は
 雪の中

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