「旅寝して みしや浮世の 煤はらひ」
俳句の意味: 旅寝を重ね来て、世俗の家の煤払いを見て、改めて世間とのかかわりの薄い
自分を振り返っている。世捨て人としての身の軽さを感じる反面、浮世へのなつ
かしさや世間に無用な自分に対する自省もほのかに感じさせる。
旅の思い出: 名古屋を出て、伊賀上野へ向かう途中、東海道の佐屋付近で「煤払い」をやっている
ところはないかと探したところ、どうも神社なら年末の掃除に忙しかろうと思い、近くで
一番有名な津島神社に行きました。
12月28日の夕刻に佐屋の町役場に到着し、役場の方にお聞きしたところ、隣町の
津島町にある津島神社がよいとのことで、津島神社の駐車場で一夜を明かしました。
雪は降らないものの冷たい雨となり、車の中もギンギン冷えてきました。
この辺は雪が降らないとかえって底冷えがして寒さが厳しいとのことでした。
12月29日も朝から冷たい雨が降り続けたため、神社の休憩所の中から神社の大掃除
の様子を描いていました。しばらくすると若い神主さんが作業着姿で現れ、休憩所の周り
を掃除して、出入り口の飾りを新しいものと交換していました。
ついに、芭蕉の歌にある「煤払い」を描くことができました。
それにしても、かなり冷え込み、煤払いをする人も大変ですが、絵を描いている自分も
大変な思いをいたしました。そこで1句
「風吹きて 雨に泣きたや 年の暮」
自作の句
風吹きて
雨に泣きたや
年の暮