「冬の日や 馬上に氷る 影法師」
俳句の意味: 冬の薄い日ざしのもと、北から吹き付ける空っ風は冷たく、馬上で行く自分の姿は、
寒さに氷ってまるで影法師のようである。
旅の思い出: 豊橋で一枚描いた後、ここ杉山町の宝林寺にこの歌の句碑があると聞いて、当時の
寒さを思い浮かべつつスケッチをしました。
そこへ住職さんが来られて、私に優しく語り掛けてきました。
そして、物静かにこの句碑が建てられた由来を示す資料をくれました。
それを読んで見ると、昭和56年に元神戸市教育長の木戸只一氏が私費を投じて建立
されたそうです。
ご住職は、この句碑の除幕式に渥美町町史編纂委員の川合繁雄さんという方がこの歌
の由来を話され、天津の地に有意義な文化財が誕生したことを誇りにしておられました。
この寺の素朴さに、この話の素朴さが加わり、何ともいえぬ静かな心地がいたしました。