俳句の意味: 朝湯に入るため、朝早く本館前に並んで朝6時の開館を待っていると、霧のような春雨が
降っていました。 漸く開館を待って湯に入り、湯から上がって休憩場のベランダに出て見る
と、雨も上がり、すがすがしい朝の風が渡って、皐月のさわやかな気候も加わり、なんとも
心静まる思いがしました。
旅の思い出: 4月30日(月)の夜の8時に道後温泉に到着し、早速風呂に入りに行きました。
本館は、夜10時までやっており、神の湯階下大人400円、神の湯二階席大人800円、
霊の湯二階席大人1200円、霊の湯三階個室大人1500円の4種類があって、私は神の湯
階下400円に入りました。外国人も多く子供を含むアメリカの五人家族と一人の若者が入
っていたので若者に話しかけてみました。
日本に来て3年、英会話教室で英語を教えており、このゴールデンウイークを利用して
四国めぐりをするとのことでした。私のスケッチ紀行の話をしたところ、若者の父親が画家
とのことで、絵に興味があり、私の絵を見たいとのことなので、外に出たらお見せする約束
をしました。出口で恋人らしい若いご婦人と一緒に出てこられ、一緒に私の絵を見たいとの
ことでした。ご婦人はかなり日本語が上手で、はじめは芭蕉のことを知りませんでしたが、
日本の歴史や文化についてかなり勉強しており、芭蕉にかなり興味を持ったように思います。
二人の名前を聞くのを忘れてしまいましたが、私のホームページを教えておきました。
ホームページには芭蕉の「奥の細道」の英訳と仏訳を載せている旨を伝えたところ、是非
とも見たいと目を輝かしておりました。夜10時ごろ、お互いの旅の無事を祈って分かれました。
翌朝5時15分に起床しましたが、まだ雨が降っていたので6時から朝風呂に入り、雨のやむ
のを待ちました。幸い8時ごろから日が出てきて青空がのぞいてきました。
「五月雨や はれて湯上り 朝の風」
そこで、本館の周りを回ってスケッチする場所を探したところ、本館の裏から見ると周りの
ビルが入らないのでその場所に決めました。
本館の中央には振鷺閣(しんろかく)といって、白鷺の像を屋根に掲げた塔があり、その中
には大太鼓が入っていて、朝の6時、正午及び夕方の6時に時を告げる太鼓の音が鳴り響き
ます。白鷺は、その昔足に傷を負った一羽の白鷺が、岩の間から湧き出ている温泉を見つけ
て傷を癒したことに由来しているそうです。
本館には、夏目漱石ゆかりの坊ちゃんの間や皇族専用の湯殿や控え室があり、松岡子規も
よく来られたようで、道後温泉には聖徳太子をはじめ、斉明天皇等天皇や皇族、小林一茶、与
謝野晶子、伊藤博文や板垣退助といった偉人、文人が来湯したとのことです。
こうして、朝8時ごろから夕方の6時半までスケッチをしましたが、地元で絵を描き「松山ぶらり
24景」というポストカードスケッチ集を出版されている香川さんという方が話しかけてこられて
お互いに定年後の共通の趣味を持つ間柄として話が弾みました。
香川さんが取ってくれた写真と、香川さんが出版されている「松山ぶらり24景」の表紙は次の
とおりです。夕方、近くにある別の温泉「椿湯」(330円)には入って昨夜と同じ駐車場で寝ました。
香川さんのスケッチ
「五月雨や はれて湯上り 朝の風」 俊愚