俳句の意味: 京都から天橋立へ向う途上、京北の栗尾峠でたわわに実る山柿に目を奪われて
眺めていると、うっすらとした有明の月が消えてゆく姿が何か物悲しく感じられ、その
はかなさを一くぎりの句で表現してみました。
今回の紀行文をもって、これを一句歌(いっくうた)と命名し、一句で表現した後に余
韻を楽しむ句として定義してみました。
月をじっと見ていると、柿の葉が一枚ひらりと落ちたので、もう一句、一句歌を詠ん
でみました。
「一枚柿の葉落ちる月」
旅の思い出: 平成18年11月13日(月)、京都の小倉山二尊院近くで夜を明かし、犬の遠吠えで目が
さめました。
「小倉山 犬の遠吠え 朝の月」
朝6時、天橋立をめがけて出発、昔若狭湾で獲れた鯖を京都まで運んだという鯖街道
の一つである周山街道を抜けて、途中京北の栗尾峠の細野というところで、自然に実る
たわわな山柿に目を奪われました。
閑静な山間の村に静かな小川が流れ、秋の実りを象徴するかのように柿が真っ赤に
実っておりました。
有明の月がうっすらと見え、空気が冷えて停まっているように見えました。
すぐに、スケッチブックを広げ昼過ぎまで描いておりました。
「山柿の たわわに残る 朝の月」
午後3時ごろ、峠を降りて美山町北にある「かやぶきの里」を見学して天橋立へ向いま
した。
「山柿たわわに残る月」 俊愚