「寺に寝て まこと顔なる 月見哉」
俳句の意味: 寺に泊まり、師と共に月を見ていると、知らぬまに悟ったような顔つきで天を
仰いでいたものだ
旅の思い出: 太洋村の大儀寺で軒端を借りて絵を描いていると、中学生の一団がやってきて、
にぎやかな写生の授業が始まりました。しとしきりして授業を終えると静まり返った
寺の中に初秋の風情が漂い、近くの小枝に繋がる細いつるの先に音もなくトンボが
やってきて、そっと離れて行きました。ふと我に返ったように周りを見渡すと、晩夏を
告げる蝉の声が寺の林に広がっていました。そこで次の句が生まれました。
「大儀寺の 軒端を借りて 月見かな」
「風トンボ そっと離れて 揺れるつる」
「風さわぐ 晩夏を告げる 寺の蝉」
自作
大儀寺の
軒端を借りて
月見かな
風トンボ
そっと離れて
揺れるつる
風さわぐ
晩夏を告げる
寺の蝉