「ちはや人 宇治の渡の 瀬を早み 逢わずこそあれ 後はわが妻」
(万葉集 2428)
自作の歌
旅の思い出: 宇治川につながる瀬田川を宇治の方角へ川伝いに走っていると、鹿跳橋(ししとびばし)に差し
掛かり、周りの山に囲まれた景観の素晴らしい場所を見つけました。
11月16日は、午前中雨模様で、午後から天気が回復しました。
そこで、午前中は歌にあわせて、「宇治の渡り」になぞらえて奥深い山々を背に鹿跳橋を描きま
した。 峰々は雲に覆われて、時たま雲が切れてはまた深い霧に包まれました。
雲は竜雲の如く湧き起こり、山々の稜線が全く消えるかと思えば、一時的にくっきりと見えたりし
て、山村の気候の変動の激しさを目の当たりに見ることができました。
「雲に泣く 峯はかすかに 現われて たちまち消ゆる 霧のベールに」
和歌の意味: ちはやびと、我々は宇治川の渡し場の瀬が速いので、それが障害となるかの如く今は逢うことも
ままならぬ状況にあるが、いずれは貴女は私の妻になるのだ。