旅の思い出: 10月23日、10時間かけて浜田から出雲を抜けて明石へ移動しました。
10月24日、朝9時に明石市役所を訪れ、歌に出てくる「藤江の浦」と「稲見の海」がどこにある
のか教えて頂きました。
藤江の浦は現在でも「藤江漁港」として現存していますが、稲見の海は、明石の西側の海を指し
ているのではないかと思われます。明石市の西北側に「稲美町」と呼ばれる町があるのですが、瀬戸内海
に面しておらず、「見」が「美」になっています。
そこで、明石市役所の職員は、明石市の西側に二見港と呼ばれる港があって、景色もよく釣り人も多く
て人気のあるスポットですとのことで、かつ「稲美町」の真南にあたり、この辺の海が「稲見の海」だったのでは
ないかとのことでした。
私もそうではないかと決め付けて、今日は藤江漁港、明日は二見港を描こうと決めました。
藤江漁港のすぐ近くに、眺めの素晴らしい「藤江休憩施設」があって、そこで柿門人麿の石造(下の写真、
明石市役所で頂いた紹介パンフレットより)を見つけました。
ここは高台になっていて、階段を下りると海岸線に沿って浜の散歩道があり、サイクリングロードにもなってい
ます。近くに松江海水浴場があり、最寄の駅は山陽電鉄の「藤江駅」と「林崎松江海岸駅」となっています。
はじめは曇っておりましたが段々雲が流れて遠ざかり、日差しが出て海が真っ青になってきました。
「描かんと 藤江の浦を 見渡せば 雲は流れて 海青くなり」
「荒妙の 藤江の浦に 鱸釣る 泉郎とか見らむ 旅行くわれを」
(万葉集 252)
自作の歌
和歌の意味: このようにみすぼらしい流人姿で旅をしていると、人は私を藤江の浦でスズキを釣る海人と
見はしないだろうか。
藤江休憩施設にある人麿の石像