旅の思い出: 10月15日は快晴となり、八釣の里を描いた後更に高家(たいえ)の里を描きました。
稲は黄金のように実り、万葉の頃の豊かな高家の里を思い浮かべました。
この辺りは、昔「高屋」といわれていたのではないか、そしてまたここに舎人皇子(とねりのみこ)の
屋敷があったものと想定してここを描きました。
なぜならば、舎人皇子の歌に次の歌があります。
(大夫たるもの片思いはしないと言い聞かせるけれど、自分はみっともないかもしれないが、
また恋してしまいそうだ。)
この歌を更に人麿が代弁して詠ったものが、上記の歌であると考え、当時この辺りに住んでいと思
われる舎人皇子が恋に悩んで一日中ぼんやりとしていたものと想定してこの場所を描きました。
その頃の豊かな田園風景を思い浮かべて、
「万葉の 黄金(こがね)の稲穂 今もなを 高家(たいえ)の里は 豊かなりけり」
「健男の 現し心も われは無し 夜昼といはず 恋ひしわたれば」
(万葉集 2376)
自作の歌
和歌の意味: 恋はたくましい男の心を狂わせるものである。夜も昼も貴女のことを思っているので、
どうにもならず、覚めた確かな心もなく現実処理の理性を失ってしまった。