「巻向の 山邊とよみて 行く水の 水沫のごとし 世の人われは」
(万葉集 1269)
和歌の意味: 巻向の山辺に沿って激しく流れる巻向川の水の泡のようだよ、現世に生きる我々は。
世の中は、涅槃経にあるとおり、正に無常だなあ。
自作の歌
旅の思い出: この絵は、県道50号線に沿って流れる巻向川で、檜原(ひばら)神社よりもさらに上流へさかの
ぼったところで描いたものです。
この川は、初瀬川と合流し大和川に入ります。その後、大和川は多くの川と合流し、大阪市と堺
市の間を抜けて大阪湾へ流れ込みます。
巻向川をさかのぼっていく途中に檜原神社を見つけ、暫らくその前を通る「山の辺の道」を歩いて
森林浴を楽しんでいたところ、道に覆いかぶさるように茂った松の葉の先に霞が集まって露のよう
に水玉が宿り、朝日にきらきらと輝いているのを見つけました。そこで一首詠みました。
「松が枝(え)の 先にとまりし 露霞(つゆがすみ) 緑美わし 山の辺の道」