「春柳 葛城山に たつ雲の 立ちても座ても 妹をしそ思ふ」
(万葉集 2453)
和歌の意味: 春の季節になって、葛城山に立つ雲のように、立っても座っても妻のことを思う今日
この頃である。
自作の歌
旅の思い出: この絵は、橿原市の耳成山の南にある池の畔から見た葛城山(右)と金剛山(左)を描いたものです。
明日香村の近辺で、大きな柳の木があってかつ葛城山が見えるところはここしかなく、ここを見つける
のに半日かかりました。
幸い桜も咲いて鴨が長閑に遊んでいることから、昔の都のイメージを思い浮かべました。
万葉集にある小野老(おののおゆ)朝臣の次の歌を思い出します。
「あをによし 奈良の都は 咲く花の薫ふが如く 今盛りなり」
また、古今集にある素性法師の次の歌を思い出します。
「みわたせば 柳桜を こきまぜて 宮ぞ春の 錦なりける」
そこで私は昔の都のイメージを思い浮かべながら、次の歌を詠ってみました。
「遠山に 思いおこせよ 葛城の 鴨鳴く池の 柳桜を」