おもかげや おば
「俤や 姨ひとりなく 月の友」
俳句の意味: 姨捨山に月をみていると、この山に捨てられた老婆の俤(おもかげ)が目に浮かぶ。
その悲しき老婆の俤を友として今宵の月を心ゆくまで観賞することにしよう。
自作
山の風
月は雲間に
這い出でて
姨捨や
老い行く死出の
月見かな
旅の思い出: 9月15日夕方7時ごろにJR線の姨捨駅にたどり着きました。
姨捨駅周辺を散策して月の位置を確認し、長楽寺の駐車場で月見をしながら食事をしました。
この日は若干雲がかかっていました。そこで一句
「山の風 月は雲間に 這い出でて」
しばらくして、月と共寝をするようにしてねむりました。
明くる朝、5時に起きて朝食をとっていると、近所の姨さんがボランティアで駐車場のトイレを
掃除にやってきました。
二人で、朝日のご来光を拝みながら、月のよく見える場所を教えて頂きました。
現在太陽が出ている鏡台山から出てくる月が「姨捨の名月」と呼ばれるもので、長楽寺の横に
現れてくるとのことでした。 また、「棚田の月」が有名で、現在の位置からは反対側の姨捨駅
の南側の踏み切りを越えたあたりから見る棚田の上に出る月がまた格別であるとのことでした。
ただし、「棚田の月」は「田毎の月」とも呼ばれ、6月ごろの田植えが終わった時期に水を張った
棚田に映る月が有名だそうです。
さらに、長楽寺には「姨捨山」と呼ばれる岩山があり、そこから見る月も素晴らしいとのことでした。
しかしながら、5年前に団体ツアーで観光に来たお年寄りが岩から落ちて亡くなられたとのことで、
姨捨山の月の友に誘われたのかと、一瞬ぞっとしました。 あわれなお年寄りの冥福をお祈りして
「姨捨や 老い行く死出の 月見かな」
しばらく話をしていると、戸倉上山田温泉の万葉温泉(大衆浴場、300円、開業時間04:00〜
23:00)の話になり、朝風呂がいいとのことで入りに行きました。
千曲川沿いにある温泉で、やわらかい硫黄の香りがするコクのあるお湯でした。
外には、誰でも入れる足湯がありました。また、そばにコインランドリーがあったので、五日ぶり
に洗濯をしました。
朝風呂に入ってさっぱりしたところで、姨捨の棚田をスケッチしました。
夕方に月の位置を確認し、長楽寺の駐車場に又戻ってきました。
そこでまた月見をしながら眠くなるまで酒を飲み、宵も程よくふけたので床につきました。