「五月雨を 集めて早し 最上川」
俳句の解説: 最上川は「古口」当たりで両岸が迫って狭くなるため流れが速く
なります。
芭蕉は、日本三急流の一つを五月雨の増水時に下った経験を句に
仕立てようとしました。
旅の思い出 : 芭蕉が舟で着いたといわれている最上川沿いの古口には、観光客のための船着
場があって、近くに観光バスが何十台も止まれるような大きな駐車場があります。
私はここに車を止めて車中泊をしました。夕方5時になると観光客はいなくなり、8時
頃には駐車場の事務所の一画に小さな明かりが燈るだけで、駐車場は私一人になり
ました。
そこには、満天の星空が広がって月が晧々と輝いていました。
私はスケッチ用の椅子に座って寝つかれるまでウイスキーを飲みながら月をじっと見
ていました。すると川の方から静かに風が渡ってきて、かすかな水の匂いを感じました。
その時、1句浮かびました。
「月一人 風の香かおる 最上川」
自作
月一人 風の香かおる 最上川
" An early summer rain gathering into swift flows at Mogami
river"