われ無感の河を下るが如く、(・・・アンパスィブル)
船曳の誘いを感ぜず;(・・・アルール)
騒ぎ立てるアメリカインディアンが船曳どもをひっ捕らえ(・・・スィブル)
弓矢の的にと、色とりどりの柱に裸で釘付けた。(・・・クルール)
しかし、ぼくは実際、烈しく泣いた!夜明けが痛ましい。(・・・ナブラーント)
全ての月は残忍で、どんな太陽も苦いとは:(・・・アメール)
きびしい愛はぼくを満した、麻痺状態に酔いしれて(・・・アニブラーント)
おお、竜骨よ、砕け散れ! おお、ぼくは海へ行くのだ!(・・・ラ メール)
ぼくはほとんど島と化した。ぼくの甲板の上でよろめきながらけんかして(・・・クレル)
そして糞をたれるやかましいブロンドの目をした鳥たちよ(・・・ブロンド)
こうしてぼくが航海していると、ぼくの弱い網を横切って(・・・フレール)
溺死者たちは、後ずさりしながら、眠りに落ちていったのだ!(・・・アルキュロン)
時折、地球の両極と両半球に飽き飽きした殉教者、(・・・ゾーヌ)
すすり泣く海が、ぼくを優しく横に揺すり(・・・ドウ)
黄色い吸い球のついた空しくおぼろげな花々をぼくに差し出した。(・・・ジョーヌ)
そしてぼくはじっとしていた、ひざまずく女のように(・・・ジュヌー)
ぼくは子供達に青い波間のドラド(しいら)たちを見せたかった、(・・・ドラド)
あの黄金の魚達、歌うたう魚達を。(・・・シャンタン)
━花の水泡は、ぼくの漂流を揺すってくれた。(・・・デラド)
そして、言うにいわれぬ風がときたまぼくに翼をくれた。(・・・アンスタン)
君も知ってか、ぼくは不可思議なフロリダに衝突した。(・・・フロリドウ)
そこでは人間の皮膚をした豹の目が、花々に入り混じっていた!(・・・ポ)
手綱のようにぴんと張った数々の虹が(・・・ブリドウ)
海の水平線の彼方に、紺碧の群を操るように!(・・・トルポ)
ぼくは夢を見た。目がくらむような雪に覆われた緑色の夜に、(・・・エブルウィ)
ゆったりと、海の瞳へ登りつめる口づけ、(・・・ラントウール)
聞いたこともない精気の循環、(・・・イヌウィ)
そして歌うたう黄色と青色の燐光が輝く目覚め!(・・・シャントウール)
その猛り狂う潮騒の中で(・・・マレ)
昨年の冬に、幼児の脳髄よりも幼い頭をして(・・・ダンファン)
走り回った!そして解き放たれた数々の半島が(・・・デマレ)
誇らしげに混沌状態を耐え忍んではいなかった。(・・・ツリオンファン)
ぼくにはもう何もできない、君たちの倦怠を浴びてしまった、おお波たちよ、(・・・ラーム)
綿花を運ぶ者達の航跡を取り去ることも、(・・・コトン)
旗と焔の誇りを横切ることも、(・・・フラーム)
牢獄船の恐ろしい目の下で泳ぐこともできはしない。(・・・ポントン)
自由自在に煙を吐いて、紫色の靄を浴びて、(・・・ヴィオレット)
このぼくは、壁のような赤味を帯びた空に、穴を開けてやった。(・・・ミュール)
そしてこのぼくは、人のよい詩人達にえもいえぬジャムを運ぶのだ、(・・・ポエット)
太陽の苔と青空の鼻汁を(・・・ダズュール)
われ船具なんぞに無頓着、(・・・エキパージュ)
フランドルの小麦またはイギリスの綿花を運ぶ(・・・アングレ)
わが船曳どもの大騒ぎがおさまる頃(・・・タパージュ)
自分の望むがままに河を下るに任せていた。(・・・ブーレ)
もしぼくがヨーロッパの水を望むならば、それは森の池、(・・・フラシュ)
黒く冷たい池で、そこはかぐわしい黄昏の頃、(・・・アンボーメ)
悲しみにあふれて、うずくまった少年が、弛めて放す(・・・ラシュ)
5月の蝶のようにか弱い舟を。(・・・ドウ メ)
ぼくは、恒星の群島を見た!そして島々を(・・・イル)
気が狂った空が、航海者に開放している島々を:(・・・ヴォギュール)
━君が眠り、亡命するのは底なしの夜なのか、(・・・エグズィル)
百万羽の金の鳥たちよ、おお未来のすごさよ?━(・・・ヴィギュール)
さて船であるこのぼくは、入り江の髪の毛の下に沈み、(・・・アーンス)
大旋風によって鳥のいない大空へ巻き上げられた、(・・・ウワゾー)
このぼくは、モニトル艦もハンザ同盟の帆船も(・・・アーンス)
海水に酔っぱらったこの骨組を救いはしなかったであろう;(・・・ドー)
ぼくは見た巨大ないくつもの沼地が醗酵して、簗(やな)となるのを(・・・ナス)
そこでは井草の中で怪獣レヴィアタンが丸ごと腐っているのを!(・・・レヴィアタン)
べた凪の最中に海水が砕け散る、(・・・ボナス)
そしてその先遠方は、滝の渦が逆巻いて!(・・・カタラクタン)
ぼくは知っている、稲妻に引き裂かれた空を、そして竜巻を、(・・・トローンブ)
そして砕け散る大波や潮流を:ぼくはそうした夕暮れを知っている。(・・・スワール)
鳩の群が立ち騒ぐような夜明けを、(・・・コローンブ)
そして時折ぼくは見た、人が見たと信ずるものを!(・・・ブワール)
子供にとって酸っぱいりんごの果肉より甘い、(・・・スール)
緑色の水が、樅(もみ)の木でできたぼくの船の船体に浸み込んだ。(・・・サパン)
そして、青ぶどう酒と反吐の汚れを(・・・ヴォミスール)
自ら洗い流し、舵と錨を散り散りにしてしまった。(・・・グラパン)
このぼくは走った、電気でできた衛星に名誉を傷つけられて(・・・エレクトリク)
狂った板、黒い海馬に護送されて(・・・ヌワール)
その時、7月の日々は、棍棒を振ってたたきつぶそうとしていた。(・・・トリク)
熱心なじょうろのための群青色の空を(・・・アントヌワール)
暴風雨が、海上でのぼくの目覚めを祝福した。(・・・マリティム)
樹の枝よりも軽々と、ぼくは波の上で踊った。(・・・ フロ)
犠牲者を永遠にころがすといわれている波の上で、(・・・ヴィクティム)
十夜もの間、船尾灯の愚かな目を惜しむこともなく!(・・・ ファロ)
ぼくは低く傾いた太陽を見た。神秘的な恐怖に汚されて、(・・・ミスティク)
長く凍える海が紫色に照らし出されているのを。(・・・ヴィオレ)
はるか昔の演劇に出てくる俳優達のように(・・・アンティク)
波は鎧戸の身震いを遠くの方まで転がし伝えている。(・・・ヴォレ)
ぼくは身を震わせた、50里の彼方で不平を言う気配に(・・・リユー)
怪獣ベヘモの発情とものすごい大渦巻マルストロムの唸る気配に(・・・エペ)
青い不動の永遠の製糸工、(・・・ブルー)
ぼくは古い手すりのあるヨーロッパを懐かしむのだ!(・・・パラペ)