不安に騒ぐ鳥たちの乱れ飛ぶ様のように
全てのわが思い出は、わが身を押しつぶし、
黄葉の繁みの中で、押しつぶす
榛(はん)の木の折れ曲がった幹を見つめるわが思い
錫紫(しゃくし)色の悔恨の川面に
憂鬱にも傍らを流れる悔恨の川
わが身を押しつぶす、そして又不吉なざわめきの音
登ってくるしっとりしたそよ風が、心を和ませ
次第に木の間に消えて、まことに快く
一瞬のうちに何も聞こえず、
居ないあの人を讃える声よりほかに何もない、
あの声よりほかに何もない ━おお、何と悩ましきかな!━
私の初恋となる鳥の声
そして、今もなお初恋の日の如く歌っている;
そして、月の悲しげな輝きの中で
青白く荘厳に昇る月、
夏の憂鬱な重苦しい夜は、
静寂と闇に満ち満ちて、
優しい風がそっと頬をなでる上空で静かに揺する
ふるえる木立と泣く鳥を