( 西田 訳 )
げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな
胸をしめつけ、
心をふさぐ
鐘の音に
われ思い出す、
昔の日々を
なき濡れて;
鐘のおとに
胸ふたぎ
色かえて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもいでや;
すすり泣く、
ヴィオロンの音よ
秋の日よ
身に沁みる、
物悲しさよ
寂しさよ
( 上田 敏 訳 )
秋の日の
ヴィオロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し
われさ迷いて、
気ままな風に
飛び散らん
ここへかしこへ、
似たる思いの
枯れ葉かな