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7 黎明

起床ラッパが兵舎の広場で鳴り響く、(・・・カゼルヌ)
そして朝の風が街灯の上で吹きまわっている。(・・・ランテルヌ)

こういう時刻は、悪意に満ちた夢の群れが(・・・マルフェザン)
栗色の髪をした青年達を枕の上で苦しめる。(・・・アドレソン)
もしくは、血走った目がピクピクうごめくように(・・・ブージュ)
ランプの光が朝の明りに赤い染みをつける。(・・・ルージュ)
もしくは、魂が手に負えない肉体の重圧に(・・・ルール)
ランプと朝の光の格闘を模倣する。(・・・ジュール)
微風がぬぐい去る涙にぬれた顔のように(・・・エスイ)
朝の空気は、逃げていくものの戦慄に満ちていて(・・・サンフイ)
男は物を書くのに疲れ、女は恋するのに疲れている。(・・・デメ)

ばら色と緑色した衣を羽織って震える暁が(・・・ベルト)
人気の無いセーヌ川をゆっくりと進んできた。(・・・デセルト)
そしてほの暗いパリ、目をこすりながら(・・・ユー)
勤勉な老人は、仕事の道具を手に取った。(・・・ラボリュ)

あちらこちらの家々から朝の煙が昇り始めた。(・・・ヒメ)
娼婦達は鉛色のまぶたをして(・・・リヴィド)
口をあんぐりと開いて痴呆の眠りをむさぼっていた。(・・・ステュピッド)
女乞食どもは、やせて冷たい乳房を地に引きずって(・・・フル
燃えさしを吹き越し、指の上に息を吹きかけていた。(・・・ド
こうした時刻は、守銭奴と寒さの中にあって(・・・レズィヌ)
産褥の女の苦痛は募るばかりであった。(・・・ジェズィヌ)
泡立つ吐血にさえぎられたすすり泣きのように(・・・エキュムー)
雄鶏の声が遠くで朝もやの空気を引き裂いた。(・・・ブリュムー)
もやの海は、建造物を水に浸した。(・・・エディフィス)
そして養老院の奥底で死にかけている人たちは、(・・・オスピス)
不規則なしゃっくりをしながら、最後の苦しみにあえいでいた。(・・・イネゴー)
放蕩者たちは、精根つきて家に戻った。(・・・トラヴォー)