4 月の悲しみ

今宵、月はもの憂げに夢を見る。(・・・パレス)
幾重にも重ねたクッションの上に座る美女さながらに、(・・・クサン)
彼女は無意識に軽く手で持って(・・・カレス)
まどろむ前に双方の乳房のふくらみを愛撫する。(・・・サン)

仰向けになって、やわらかい雪崩のように艶のある背を下に、(・・・アヴァラーンシュ)
死にそうな、今にも息絶えだえの姿でいつまでも、(・・・パムゾン)
真白い幻にその目をめぐらせる(・・・ブラーンシュ)
花開くように青空に広がっていく幻を(・・・フロレゾン)

時折り、やるせないもの憂さに、下界に(・・・ウズィフ)
彼女は一滴の涙を流す、(・・・フルティフ)
聖なる詩人は、眠りをこらえて夜を明かす。(・・・ソメー

手のひらに、青白き涙をすくい取り、(・・・パール)
オパールのかけらのように虹の輝きに反射して(・・・オパール)
太陽の目に遠くはるかな心の中にわが身を置く(・・・ソレー

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