話してくれ、何を見たのか?(・・・ヴュ)

お前の毒を僕達に注げ、僕達に力を与えよ(・・・レコンフォルト)
その激しい炎が僕達の脳髄を焼くように、(・・・セルヴォー)
地獄であろうと天国であろうと構わぬ。渦の底に飛び込み、(・・・カンポルト)
新しさを見つけるために未知の世界の奥底に飛び込むことを(・・・ヌーヴォー)
浴するのだ

出発すべきか?とどまるべきか?とどまりえるならばとどまれ。(・・・レスト)
必要ならば立つがよい。ある者は走り、ある者はうずくまる。(・・・タピ)
不吉で油断の無い敵を欺くために(・・・フュネスト)
時よ!悲しいかな!当てのない放蕩息子よ(・・・レピ)

10 旅

奇怪な運命がその目標を変えていく(・・・デプラス)
そしてどこにもなければ、どこにあってもかまわない(・・・ウー)
そこでは希望にあくなき人間が、(・・・ラス)
休息を求めて狂人のように駆け巡るのだ(・・・ フー)

地図や版画の大好きな少年にとって(・・・デスタンプ)
宇宙は、その旺盛な食欲と同じである。(・・・アペティ)
ああ、何とランプの明りの下で見る世界の大きいことか(・・・ランプ)
ああ、思い出の目に映っている世界の小さいことか(・・・プティ)

人の目を酔わせる衣装、(・・・イヴレス)
歯と爪を染める女性達、(・・・タン)
そして蛇が絡みつく巧みな手品師(・・・カレス)

僕達の宗教に似た数々の信仰は、(・・・ノートル)
すべて天国を目指してよじ登る、聖者とは(・・・サントテ)
羽根布団の上で繊細な男が寝転ぶように(・・・ヴォートル)
釘や針の中で快楽を求めている。(・・・ヴォリュプテ)

見張りの男が指し示すどの島も(・・・ヴィジ)
運命によって約束されたエルドラード(黄金郷)だ。(・・・デスタン)
饗宴の祭りを企てる想像は、(・・・オルジ)
明け方の光の中では暗礁を見るばかりだ。(・・・ マタン)

僕達の魂は、理想の世界を探している三本マストの帆船だ。(・・・イカリ)
甲板の上に声が反響する。「眼を開け」(・・・ルーイ
帆柱の上の方からくる声が、熱烈に狂気のように叫んでいる、(・・・クリ)
「愛よ、名誉よ、幸福よ」地獄だそれは暗礁だ(・・・エクーイ

この人たちは、その欲望が雲の形をしているらしい。(・・・ ニュ)
そして夢を見るのだ、新兵が大砲を見るように(・・・カノン)
変幻自在で未知の茫漠とした逸楽を(・・・アンコニュ)
そしてそれは人間の精神がかつてその名を知らなかったようなものなのだ!(・・・ ノン)

獣の姿にかえられないようにするために、彼らは酔いしれる(・・・アンニブル)
空間や光や赤く燃えた空に(・・・アンブラゼ)
彼らの体を蝕む氷や赤道色に焼く太陽が(・・・キュイブル)
接吻の跡をゆっくりと消していくのだ。(・・・ベゼ)

楽しんでいる死刑執行人、泣きすすっている殉教者。(・・・サングロット)
血の匂いと味がする饗宴(・・・サン)
専制君主をいらだたせる権力の毒(・・・デスポット)
そして自分を白痴化する鞭を愛する民衆。(・・・アブリュティサン)

苦い知識だ、人々が旅から引き出すものは(・・・ヴージュ)
この単調な小さな世界は、今日も、(・・・オジュルデュイ)
昨日も、明日も、いつもわれわれの心像を見せ付ける。(・・・イマージュ)
倦怠の砂漠の中の恐怖の一つのオアシスだ。(・・・ダンニュイ)

僕達は、蒸気も炊かず帆も張らずに旅に出よう(・・・ヴル)
僕らの牢獄の倦怠を華やかに浮き立たせるために(・・・プリゾン)
キャンバスのように張られた僕らの精神の上を通過させよう、(・・・トル)
お前達の思い出を、水平線を額縁にして(・・・ドリゾン)

ある朝、僕達は船出した、脳髄に炎を満たし、(・・・フラーム)
心に苦い欲望と大きな恨みを抱いて、(・・・アメール)
そして僕らは行くのだ、浪の旋律のまにまに(・・・ ラーム)
有限の大海原を僕らの無限の想念をゆすぶりながら。(・・・ メール)

おお、子供のような頭脳よ(・・・アンファンタン)

重大なことを忘れないようにするために(・・・カピタル)
探しもしないのに、僕達はいたるところで見た。(・・・シェルシェ)
宿命の梯子の天辺から足場まで(・・・ファタル)
永遠不滅の罪業の退屈きわまる光景を(・・・ペシェ)。

紫色の海の上の太陽の栄光、(・・・ヴィヨレット)
夕陽の中の都市の栄光は、(・・・クシャン)
僕達の心の中に不安定な情熱をたきつけた。(・・・アンキィエット)
魅惑的に反射する天空へ身を投げようと。(・・・アルレシャン)

親しみのある言葉の調子で、幽霊が誰だかわかる。(・・・スペクトル)
僕達の親しいピラド達は僕達に腕を差し伸べる。(・・・ヌー)
「君の心をさわやかにするために君のエレクトラの方へ漕いでいきなさい。」(・・・エレクトル)
と昔僕達がその膝に接吻した女がいう。(・・・ジュヌー)

━享楽が強力な欲望をかりたてる。(・・・フォルス)
欲望よ、快楽を栄養とする老木よ、(・・・ダングレ)
木の皮が成長し固くなるにつれて、(・・・エコルス)
お前の枝が太陽を益々近く見ようとするのだ。(・・・ プレ)

泥に踏み迷う溺れた浮浪者と同じように(・・・ブー))
空を仰いで、輝いた楽園の夢を見る。(・・・パラディ)
魔法にかかった目は歓楽地を発見する(・・・カプー)
いたるところに、荒屋にろうそくさえともっていれば。(・・・トディ)

僕達は、闇の海に船出しよう(・・・テネーブル)
年若い旅客のように気もうきうきと。(・・・パサジェ)
聞こえるかあの声が、可愛らしくて陰鬱な(・・・フュネーブル)
「こちらへおいで食べたい人は、(・・・マンジェ)

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常にお前は成長するのだろうか、糸杉よりも生命力のある(・・・ヴィヴァス)
大樹よ━だが僕達は気を使って、(・・・スン)
貪欲なお前達のアルバムのためのいくつかのスケッチを集めた、(・・・ヴォラス)
遠くから来たものは何でも美しいと思っている兄弟達よ(・・・ルン)

僕達は、象の鼻の偶像を礼拝した。(・・・トローンプ)
光り輝く宝石を星のようにちりばめた玉座を、(・・・リュミヌー)
妖精のように美しい華麗な宮殿は(・・・ポーンプ)
お前達の銀行家にとっては破産の夢と思われよう。(・・・リュイヌー)

それから次に、さらに何を見たのか?(・・・アンコール)

饒舌な人類は、自己の才能に酔いしれて(・・・ジェニ)
昔愚鈍であったと同様に今も愚鈍に(・・・ジャディス)
神に向かって叫んでいる、怒り狂った苦悶の中で。(・・・アゴニ)
「おお、わが同類よ、わが主よ、僕はお前を呪うのだ」(・・・モディス)

おお、空想の国々にあこがれる哀れな男よ(・・・シメリック)
鉄の鎖で縛り上げ、海中に投ずべきではなかろうか、(・・・ メール)
この酔いどれ水夫を、アメリカ発見者を、(・・・ダメリック)
この蜃気楼が潮をさらに苦くさせるのだ。(・・・アメール)

われらは恐ろしいことに、独楽や毬をまねている(・・・ブール)
ワルツを踊ったりはねたり、われわれの夢の中のように(・・・ソメー
好奇心はわれわれに拷問をかけたり転がしたりする、(・・・ルール)
太陽を鞭打つ残酷な天使のように。(・・・ソレー

だがしかし、本当の旅人は旅立つために旅立っていく人だ。(・・・パルトウ)
気球に似て心軽やかに(・・・バロン)
その宿命から決して離れられぬにもかかわらず(・・・ゼカルトウ)
なぜかは知らずいつも叫んでいる。「さあ行こう」と(・・・アロン)

ある者は恥ずべき祖国を去るのにうきうきと、(・・・アンファーム)
他の者は幼年時代の恐怖から、そして又ある者は(・・・ケルクザン)
女の目の中に溺れた星占いから(・・・ ファム)
危険な妖気を漂わせる暴君の魔女シルセから(・・・パルファン)

女性は、卑しくて高慢でおろかな奴隷だ、(・・・ステュピッド)
自己崇拝さにあらず、嫌悪もせずに己を愛する。(・・・デグー)
男性は、大食いの好色で頑固で貪欲な暴君だ。(・・・キュピッド)
奴隷に仕える奴隷、排水溝に流れ込む泥水だ。(・・・レグー)

多少愚鈍でないやから、発狂を愛する不逞なやから、(・・・デマーンス)
運命に囲われた大群衆から抜け出して、(・・・デスタン)
そして広大なアヘンの中に避難する(・・・イムマーンス)
━この如きが全地球の永遠の報告書なのだ。(・・・ビュルタン)

不思議な旅人よ 何と高貴な物語だ(・・・イストール)
僕達は、海のように底知れぬお前の瞳から読み取るのだ(・・・メール)
お前達の豊富な記憶の宝石箱を見せてくれ、(・・・メムール)
星と精気で作られた不思議な宝石を。(・・・デテール)

                      僕達は星を見た。(・・・アストル)
そして波を見た。;僕達は砂丘をも見たのだ。(・・・オッスィ)
そして多くの衝突や思いもかけぬ災害に出会った、(・・・デザストル)
にもかかわらず、僕達は今と同じくしばしば倦怠に出くわした。(・・・ イスィ)

最も豊かな都市も、最も雄大な景色も(・・・ペイザージュ)
神秘的な魅力を持っていたためしは無い(・・・ミステリュー)
偶然が雲を形作るが如く(・・・ヌアージュ)
そして常に欲望が僕達を不安にするのだ(・・・ススィユー)

さまよえるユダヤ人のように、そして使徒のように(・・・アポートル)
彼らにとって車も船も役立たぬ、(・・・ヴェソ)
不名誉な時の網でがんじがらめにされるのを避けるために、(・・・ドートル)
他の者は幼年時代の土地を離れずに時を殺すことを知っている。(・・・ベルソ)

おお死よ、年老いた船長よ、時が来た錨を揚げろ(・・・ラーンクル)
この国に僕達は飽き飽きした。おお死よ!船出しよう(・・・アパレヨン)
もし仮に空と海とが墨のように黒くなろうとも(・・・ラーンクル)
僕達の心は、知ってのとおり光に満ち満ちている(・・・レヨン)

終に時が僕達の背骨を足で踏むときでも、(・・・エシーヌ)
僕達は希望を抱いて叫ぶことができるであろう「前へ」と(・・・アヴァン)
中国を目指してその昔出発したように(・・・シーヌ)
海上はるかに目を据えて、髪を風になびかせる。(・・・ ヴァン)
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香りの高いローストビーフを 摘むのはここよ(・・・ヴァンダーンジュ)
あなたたちの心が飢えている奇跡の木の実は。(・・・ファン)
不思議な甘さに陶酔しなさいよ。(・・・エトランジュ)
永久に尽きることの無い午後の」(・・・ ファン)