自己を凝視して深い詩境を求め、観念的、説明的なもの、
月並み調子、低俗な理屈はやめる。

 新味、斬新性、奇抜な着想が必要であるが、豊かな実感
を伴う、生の感動を伝えるものでなければならない。

 言い得て妙なる言葉を使用して、さらっと表現し、後から
ふと風情を感じるようなものである。

 材料がそろいすぎてもわざとらしさが残る。

 主眼となる言葉を見つけ、3語の言葉の間にできるだけ
「間」すなわち距離を置く。

 これが俳諧の極意である。


                                         平成16年5月


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